矢沢君はそんなあたしの目をじっと見つめたあと、左右に視線を泳がせてパッとそらした。
顔が赤い気がするのは気のせいかな?
怒ってる、とか……?
ううっ。
だったらどうしよう。
やっぱり……ダメかな。
引き受けてくれるわけないよね。
それに、あたしたちは友達っていう関係ではないし。
深く考えてなかったけど、あたしは矢沢君を振っちゃったわけなんだし。
もう関わりたくないとさえ思っているかも。
それなのにあたしったら、なんてお願いをしちゃったんだろう。
「別に……いいけど」
囁くような小さな声が聞こえて、大きく目を見開く。
い、今……いいって言った?
「ほ、本当?」
「ああ」
「やったー!ありがとう!」
嬉しくて思わず矢沢君の腕に飛び付く。
や、やばい。
嬉しすぎるよ。
「お、おい。腕振り回すなって」
あたしは無意識に、嬉しくて矢沢君の腕をブンブン振り回してしまっていたらしい。
苦笑しながら矢沢君があたしを見つめている。
「ガキかよ」
「ご、ごめんねっ。嬉しくて、つい」
えへへっ、と愛想笑いでごまかした。



