だって、キミが好きだから。



「で、俺は何すりゃいいわけ?」



「え?あ、あー!そうだった!」



すっかり忘れてたけど、矢沢君に手伝ってもらいたいことがあったんだ。



「今日は紙芝居で花咲か爺さんを読むんだけど、矢沢君にイジワルじいさんの役をやって欲しいなって」



「…………」



さっきまでクスクス笑ってたのがウソみたいに、ピタリと空気が止まった。


うっ。


沈黙が気まずい。


そりゃ、矢沢君が紙芝居を読んだりするタイプじゃないってことは十分承知なんだけど。



物語を出来るだけリアルに子どもたちの心に響かせたいあたしからすると、どうしても引き下がれないわけで。



「ダ、ダメ……?」



顔の前で両手を合わせ、恐る恐る矢沢君の顔を見つめる。