矢沢君を見ると、ドキドキが止まらなくなる。
「や、矢沢君……!こっち」
矢沢君に向かって大きく手を振ると、それに気付き急ぎ足でやって来た。
意味がわからないっていう顔をしながら、目の前の光景に目を丸める矢沢君。
「北上、何だよこれ」
「えへっ、あたしねボランティアしてるの。子どもたちに紙芝居の読み聞かせしたりとか」
「ボランティア?」
怪訝に眉をひそめる矢沢君。
キリッとした目があたしに向けられる。
うっと言葉に詰まりそうになったけど、ここで怯んじゃいけない。
頑張れ、あたし!
「う、うん!」
「で、俺にも手伝えと?」
「さ、さすが……!頭の回転が速いな〜!」
えへって笑ってみせたけど、矢沢君はじとっとあたしを見るだけ。
何か言いたげなその目付きが何だか怖い。
「で、何すりゃいいの?」
「え!?協力してくれるの?」
「内容による」
「うっ」
だよね。
ボランティアだし。



