「吉田、そうカリカリすんなよ。菜花にもいろいろ事情があんだって」
琉衣は泣き続けるあたしの頭を優しくポンポンしてくれた。
ホッとして余計に涙が溢れる。
「矢沢君には関係ないでしょ。なによ、事情って」
「それは……今は言えねー」
そう言ったあと、琉衣は萌奈に何かをコソッと耳打ちした。
萌奈は琉衣の声に小さく頷く。
気になったけど聞けなくて、溢れて来る涙を止めるのに必死だった。
「なんだよ、俺にも教えろよな」
「朔真君には関係ないでしょ」
「あるっつーの!俺だって、なのちゃんのダチなんだからなっ!」
「ウザい。向こう行って!半径1メートル以内に近寄らないで!」
「萌奈ちゃーん……!俺、ウザいなんて初めて言われたんだけどー!」
「うっさい。あっち行け」
「うわっ。グサッて来た、グサッて」
「そのまま二度と戻って来ないで」
「うはっ。冷てー!」



