「別にいいよ、あたしが出て行けば済むことだし。菜花は遠慮せずに矢沢君と楽しんで。じゃあ」
なんとなくトゲのある言い方をされて、再びプイと顔をそらされる。
萌奈に拒絶されるのは初めてで、胸がズキンと激しく痛んだ。
「出て行くって……どこに?」
立ち上がってドアの方に向かう萌奈の後を追いかける。
朔真君と琉衣は様子がおかしいあたしたちに気付いたのか、黙ったまま何も言わない。
「他のクラスの友達のとこ。2人が帰ったら連絡してよ。戻って来るから」
「そ、そんな。萌奈も一緒じゃなきゃやだよ」
「一緒にいても意味ないでしょ?」
「え……?」
意味がない……?
なんで?
「だって、菜花はあたしが言ったことを何も覚えてないじゃん……!彼氏のことも、前にうまくいってないって相談した時のことも……何も覚えてないじゃん!そんな菜花と一緒にいても意味ないよ」
えっ……?
なに、それ……。
知らない。
どうしよう。
覚えてない……。



