あたし……やっぱりおかしいんだ。
お母さんがそう言うってことは、色んなことを忘れてるってことなんだ。
もしかすると、いつも一緒にいる琉衣や萌奈もそれを感じているかもしれない。
だから琉衣は寂しそうに笑うの?
授業だって……内容がちんぷんかんぷんだし、問題を当てられてもさっぱりわからなくて答えられない。
簡単な漢字が読めなかったり、物の名前がわからなくなったり。
簡単なことさえも出来なくなってる。
「手術をして、もし記憶を失くしてしまったら……それは元に戻るんでしょうか?」
お母さんの震える声を聞いていたら、喉の奥が焼けるように熱くなって涙が滲んだ。
先が見えない迷路に入ったみたいに、言いようのない感情が胸の中をぐるぐる回っている。
怖い。
手術なんてしたくない。



