4月下旬のある日の土曜日。
琉衣との待ち合わせで、あたしはバスに乗っていた。
目指すは病院。
何をしに行くのかわからなかったけど、念押しされたから約束は忘れなかった。
朝からポカポカしてて、バスに揺られていると寝ちゃいそうになる。
いい天気だなー。
こんな日に琉衣に会えるなんて嬉しすぎるよ。
早く会いたい。
会って手を繋ぎたい。
琉衣の手は、あたしに癒しを与えてくれる。
バスが病院のロータリーに着くと、すでに琉衣はそこで待ってくれていた。
桜はもう散ってしまったけど寂しくはなくて、5月の新緑の季節がワクワクを大きくさせる。
「よう。寝坊しなかったんだな」
「琉衣!おはよう。するわけないよ、楽しみにしてたんだもん」
バスを降りると、笑顔で琉衣に駆け寄る。
琉衣はスラッとした黒いパンツに、チャコールグレーのジャケットを着てオシャレな格好だった。



