駅ビルの中にある映画館に入ってチケットを買った。
始まるギリギリに来たせいか端っこの2人がけの席しか空いてなかったけど、この回で観たかったからちょうど良かった。
「本当にあたしが観たい映画で良かったの?」
ポップコーンとジュースを買って、チケットを持って中に入った。
中は薄暗くて、すでにたくさんのお客さんで埋まっている。
「今さらだろ、それ。それに、俺は別に観たいのがなかったし」
「へへっ、そっか。ありがと」
そう言って、あたしは琉衣が買ってくれたジュースをひとくち飲んだ。
スクリーンの映像の光の中に浮かび上がる琉衣の整った横顔に、胸がありえないほどドキドキ高鳴っている。
映画館って……こんなに薄暗かったっけ?
落ち着かないんだけど。



