嫌なことや不安なことがあっても、一緒にいるとその時だけは考えないで済む。
あたしの病気の話も嫌な顔ひとつせずにちゃんと聞いて、それでもいいよって言ってくれた。
そんな琉衣には、本当に感謝しかない。
照れて頬を掻く琉衣をじっと見つめる。
「んなに見られると普通に照れるだろ」
「い、いいじゃん……!目に焼き付けておきたいんだよ」
忘れないように。
大切に記憶の中にしまっておきたいの。
思わず出てしまいそうになったその言葉は、なんとかグッと飲み込んだ。
だけど、伝わったのかたちまち琉衣の目が悲しげなものに変わる。
「忘れること前提みたいな言い方すんなよ。菜花は大丈夫だ」
「う、うん……ごめん」
「いや。よしっ、そろそろ行くぞ」
「え?も、もう?あたし、まだ飲み終わってない」



