誰かに話すと、本当にその通りだって認めなきゃいけなくなりそうで怖かった。
忘れたっていう事実を、まだ認めたくなかった。
だから『ともき』のことは琉衣には言えない。
それに……知られたくない。
「そんなにヤバいのか?」
あたしの深刻な顔がよほど効いたのか、琉衣はさらに眉を寄せる。
「え?あ、う、うん……」
とは言っても、成績はいつも良くも悪くもなくて中の中くらい。
至って普通のレベルだとは思うけど、テストのことが気がかりなのは紛れもない事実だった。
「春休み……勉強教えてやろうか?」
「え?」
勉強?
琉衣が?
思いがけない返事にポカンとする。
それにしても、なんで琉衣が?
教えてやろっかなんて、よっぽど自信がなきゃ言わないよね?
「お前、俺が勉強出来ねーって思ってんだろ?」
「えっ……!?」
やば、バレてるし。
「菜花の考えてることなんて、顔見りゃすぐにわかんだよ」
「うっ」
やっぱりバレバレなんだ。
自分じゃ全然わかんないや。



