「今日はバイトないから、一緒に帰るか?」
「あ、う、うん……っ!」
「じゃあ、あとでまた迎えに来る」
「あ、ありがと」
「はぁ。俺はしばらく立ち直れねーよ」
「いいから行くぞ」
琉衣が朔真君の肩を叩いて立ち去ろうとする。
「よくねーよ!俺は萌奈ちゃんのことが……っ」
「いいから、ほら」
落ち込む朔真君の腕を無理やり引っ張って、2人は戻って行った。
「なんだかんだ言いつつ、矢沢君は菜花を大事にしてるよね。ちょっと見直しちゃった」
萌奈がニコッと笑いながら、スマホをポケットにしまう。
琉衣を良く思っていなかった萌奈から出た言葉が嬉しいけど、手放しで喜べない。
ムリにでも他のことに気を向けていないと、不安に押し潰されそうだった。



