「は?え……?好き?」
言った。
言ってしまった。
バカだ、あたし。
どうして言っちゃったりしたの!
琉衣は目を見開いて呆然としている。
「なーんてね……っ!冗談だよ」
あたしは戸惑う琉衣に笑ってみせた。
ドッドッドッドッと脈打つ鼓動。
寒いはずなのに、それを感じないくらい体が熱い。
喉の奥が熱くなって涙が溢れた。
こんな形でしか伝えることが出来ないなんて。
ピクピクと頬が引きつる。
ごめんね。
……ごめんなさい。
「お前なぁ……言っていいことと悪いことがあるだろ?」
傷付いたように目を伏せる琉衣を見て、胸が張り裂けそうになる。
バカだ。
琉衣を悲しませるなんて。
さっき傷付けたくないって思ったはずなのに。
最低。
ホント、ありえないよ。
「ご、ごめんね」
「ったく。本命チョコは諦めるから、思ってもねーこと言うんじゃねーよ」
琉衣はガシガシとあたしの頭を撫で回して、教室に入って行った。
涙が堪え切れなくて踵を返す。
中庭の桜の木の下まで一目散に来たあたしは、背中を預けてズルズルと座り込んだ。



