だって、キミが好きだから。



「おい、菜花!」



ーーパチッ



目を開けると、ぼんやりと辺りの景色が見えて来た。



目の前に人がいるのはわかるけど、視界が霞んで誰だかわからない。



「あ……だ、誰?あたし……生きてる?」



「何言ってんだよ?俺だって」



聞き覚えのある低い声。


次第に意識がしっかりし始める。


歪んでいた目の前がはっきりし始めると、心配そうに眉を下げる琉衣があたしの顔を覗き込んでいるのが見えた。



「る、琉衣……?琉衣だよね?」



……良かった。


あたし、ちゃんと覚えてる。


琉衣のことを。



「ああ、俺だよ。大丈夫か?」



カーテンで仕切られたベッドの上に寝かされていたあたしは、ここが保健室だと気付くのに時間はかからなかった。



「う、うん……大丈夫だよ。あたし……頭が割れそうなくらい痛くて。倒れたの?」



今は頭痛はすっかり消えた。



「ああ、いきなり倒れるからマジビビッた。吉田は泣き出すし」



琉衣はホッとしたように息をつく。


ずっとそばにいてくれたのか、手が握られている。



「も、萌奈は……?」