「俺は,姫様に無礼を怠った。
そんな俺に,姫様が頭を下げる必要はありません。」

そう言うランシャーに,誰もが驚いた。
ランシャーは,プライドが高く,誰かの下につくような事はしないのだ。
そのランシャーが,カグヤにきちんとした敬語を使った。
こんな事は,前代未聞なのだ。

でも,頭を上げないカグヤ。

「姫様,お願いですから頭を上げてください…。
あなたのそんな姿,見ていたくわない。」

低く,真直ぐな声に,カグヤは顔を上げた。

「姫様,すいませんでした。
許しをもらえるとは思っていません。
だから,その代わり,これから姫様守る事を,俺は誓います。」

ニコッと微笑み,席に座った。

「女王姫様…これで終わりでいいのですか??」

ボーッとしていたカグヤに,ドランが控え目に聞く。

「あ…あと…。
あたしを姫とか,女王姫とか…そう呼ばないでください。」