「レオン…遅いな…」

もしかして,ゴキブリと戦ってるとか?

色々考えている内に,眠気が襲い,その場で寝てしまった。



「失礼します。」

レオンは,カグヤの部屋に入った。

カサカサカサ…

なるほど…さすがの姫も,これだけは無理なのか…

黒い物体が,床を走っていた。

これは…どうしたものか…

さすがに,素手で捕まえるほどの勇気はない。
それに,こんなに早く歩かれたら,捕まえるのも一苦労だ。

「姫のためだ…がんばるか…」

レオンは,空き部屋から枕を持ってくると,構えた。

今だ!

バフッ!!!!

ゴキブリは,枕を避けて,また歩きだした。

もう一回!

もう一回!

今だ!

おりゃ!

何度も何度も枕をぶつけ,それで,何百回と続いたころ…

「勝った…」

この事から少しはわかると思うが,レオン・フォートニードは,かなりの天然だ。