その後ろ姿が,寂しそうで…悲しそうで…
カグヤは,自分はバカだと溜め息をついた。

ごめんね…レオン…

その言葉の代わりに,カグヤはレオンの背中に飛び付いた。

「姫?」

驚いて振り向くレオン。

「会いたかった…
ずっとずっと会いたかった…
でも,家族と別れるのが辛かった。
それで…
だから…耶桜国に行きたくなかったわけじゃないの…
だから…」

「わかってます…」

「え?」

顔を上げると,茶色の髪がサラサラと風になびいていた。

「わかってました!
だけど…すぐ俺の所に来てくれなかったのが…その……嫌だったんです…」

小さくなるレオンに,カグヤはクスクス笑った。

「笑わないでください…」

そう言うレオンの顔を覗き込むカグヤは,ニカッとまた笑った。

「真っ赤になってる~♪」

「姫!」

「姫じゃありませーん♪」

「カグヤ!」

「……!?」