中には,長いﾃｰﾌﾞﾙがあって,その上にはたくさんの料理。
壁には,肖像画がかかっていて,よくテレビでみるお偉いさんのような感じだ。
席には,5人の人が座っていた。

｢さ,奥の席にお座りください。｣

耳元でそう言われ,長い道を歩くｶｸﾞﾔ。
その間,突き刺さる目線とﾋｿﾋｿ声。
嫌な空気だ。

途中,見覚えのある,茶色い髪を見つけ,目を向けるとﾚｵﾝがいた。
ﾚｵﾝもこっちを見て,ﾆｺｯと微笑んだ。

ｶｸﾞﾔも微笑み返した。


やっと席に着いて,座る。
すぐ近くに,ﾚｵﾝとﾄﾞﾗﾝがいて,ｶｸﾞﾔは安心した。

｢えーでわ,女王姫様のご紹介を…｣

ﾄﾞﾗﾝが司会のようだ。
ｶｸﾞﾔは,その場に立つと,深くお辞儀をした。
ｶｸﾞﾔは,こんな場面には慣れていた。
中学の時だって,学級委員の委員長だったし,卒業式の時は,代表で卒業文集を呼んだ。

だから,いつものように話した。