「はぁー…」

カグヤちゃんと久王が帰ってしまった日。
私は,ソファに座りながらそんな思い出を思い出していた。

久王が今でも好き。
ただ,それが言えないのは…
彼に奥様がいるから…

カグヤちゃんが来た日,久王の子ってすぐ分かった。
彼は結婚したんだ…って,涙が出そうになった。
だから,カグヤちゃんがすごく…憎かったの…。

私の久王を奪った人…


でも,カグヤちゃんと話ている内に,カグヤちゃんを久王に重ねている自分がいる事に気付いた。
そして,気付いたの…

もういいんだわ…って…

カグヤちゃんは,とても可愛い子だし,憎む所なんて一つもなかった。
それに,彼女は命の恩人だし…


私は,バカだった。
何百年も,こんな事で悩むなんて,私らしくないもの。