「少なくとも,俺はそう思います。
俺とカグヤなら,どんな事も乗り越えられると信じてますしね…」

爽やかな笑顔を作ると,ドアの方へ足を運ぶ。

「カグヤを任せた…」

その声に足を止めたレオンは,振り返らずに頷く。

「すぐ戻ります。」

部屋を出たレオンは,迷わず走った。

カグヤが行く場所なんて,あの場所しかない。

俺達がこの国で,初めて会った場所。
ピッグバードに,カグヤが襲われていたあの場所。
それしか考えられない。

馬小屋に入ったレオンは,やっぱりと笑った。

カグヤの馬がいない。
やっぱり,カグヤはあの場所にいる。

馬に乗ったレオンは,速く馬を走らせた。

俺は信じている。
俺達なら,大丈夫だって…。
どんなに離れていても,俺がカグヤを好きな気持ちは変わらない。
それを…カグヤに伝えなきゃだ…