「笑うな!」

カグヤは,自分で立ち上がり,レオンを見上げた。

「すいません…でも,カワジュウって…」

「カグヤは本当にバカだな!」

2人の会話を聞いていたコンドラが,笑顔を見せた。
驚いて,クローンを見ると,背を向けて笑っている。
ランシャーなんて,爆笑している。
ラビーも,ドランも…皆が笑っていた。

なぜか,嬉しくなったカグヤは,久し振りに作り笑いじゃない笑顔を見せた。

「姫…」

その笑顔に驚いたレオンは,誰にも聞えないくらいの声で呟いた。

あの頃の笑顔だ…。
姫の幼い頃の笑顔。
この笑顔に,昔の俺は,何度助けられたことか…

「レオン?どうしたの?」

自分が見られている事に気付いたカグヤは,レオンの顔を覗き込む。

「いえ,昔を思い出しました。」

クスクスと,嬉しそうに笑うレオンに,カグヤは首を傾げた。