「違う?」



強く、迷いがない。
皐月は今、私に本気の本音を話してくれてる。


喉は緊張でカラカラだ。
張り付く感じがして、ゴクッと生唾を飲んだ。



「彩が欲しい」



そう言って、皐月は私にゆっくりと手を伸ばす。


頬を包み込むと、顔を引き寄せるように距離を詰めた。



「覚悟しろよ?俺は手加減しない」



ニヤリと口の端が上がる。
その手が触れる頬がビリリと痛い。



「欲しいと思った物は、絶対に手に入れる。どんな手を使っても」



皐月の甘い声が脳を刺激する。


そして、鼻と鼻が触れてしまいそうなぐらい近い距離で囁いた。



「俺がお前に絶対的な愛をくれてやる」



完璧に堕ちた。


囚われた瞬間だったーーー。