落ちてきた天使

「絶対に世界で一番幸せにする。絶対に一人にはしない。年老いて寿命がきても、絶対に俺が一秒でも長く彩よりも生きる。だから」



熱を帯び、決意と覚悟、強い意志が宿った瞳が私を真っ直ぐに射抜く。


くらくらした。
立っていられないぐらい心臓が鼓動を打って、それでも皐月の表情と言葉を一言一句逃したくなくて、膝に力を入れた。

そして。



「矢嶋彩さん、僕と結婚して下さい」



緊張で微かに震えた声で紡ぐれたプロポーズの言葉は、私の宝物になった。




ねぇ、皆。
私の愛した人はこんなに素敵な人なんだよ。


意地悪で、だけど照れ屋で。
太陽のような笑顔はパパに似てる。

逞しくて頼り甲斐があって。
凛とした男らしい所はお父さん似。

何よりも、優しくて思いやりがあって、心が広い所は二人にそっくりだ。


娘は父親に似てる人を好きになるって聞いたことがあるけど、本当にその通りかもしれないね。



「皐月ありがとう。私、一生かけても返せないぐらい色んなものを皐月に貰ってるね」



ポロポロと零れ落ちる涙。

それを、いつかした約束の通り、皐月がごつごつした大きな手で拭ってくれる。


嗚咽混じりで聞きづらいはずなのに、それでも温かく私の言葉を待っていてくれる皐月に胸の奥から想いが溢れてくる。



「私で良ければ、宜しくお願いしま……っ!」



全てを言い終える前に、皐月の腕の中に閉じ込められた。

そして、皐月は涙で濡れる私の唇に羽根のようにふんわりと甘いキスを落とした。


まるで誓いのキスのようにーーーー。