「幸せにしてもらわなくていいよ。私が皐月を幸せにする。皐月が幸せなら私も幸せだから」



私達は多分間違ってた。

お互いを大切にし過ぎて、お互いを傷付けたくなくて、いつの間にか無理してた。


でも、それはきっと間違ってる。


好きだから。
ずっと一緒にいたいから。

だから、二人でどんな壁も荒波も乗り越えていく。


それが、“ずっと一緒にいる”って事でしょう?



皐月の潤む瞳を見つめる。


今、目の前で涙を目一杯に溜めるこの人が、愛しくて愛しくて堪らない。


誰よりも優しくて、強引で、俺様で。
照れ屋な所が可愛くて。

私に沢山の愛を注いでくれる人。

そして、私が沢山の愛を注ぎたい人。



それが、松永皐月だ。



「私を皐月の隣りにいさせて……ずっと」



皐月は目を見開いた。

そして、涙でキラキラ輝く瞳を細めて。



「喜んで」



そう微笑んだーーーーー。