落ちてきた天使

一番気になるのはやっぱり佳奈恵さんのこと。

本来の佳奈恵さんは大人で清楚で、私みたいな子供より全然皐月に似合う。

きっと今頃、結婚に向けて準備を進めていたりするかもしれない。


結婚式場を見学して、どんな結婚式がいいか二人で楽しく話し合って。

日取りを決めたら早速準備開始。
招待客のリスト作り、花やテーブルクロスなど装飾品の選択、料理を選んで。

それから何と言っても一番の楽しみはウェディングドレス選びだ。


佳奈恵さんは細身だからマーメイドドレスなんか似合いそうだ。

お色直しのドレスは薄いピンクとか淡い色で、花が沢山付いてるやつがいい。


皐月が着るタキシードは佳奈恵さんが選ぶのかな……

皐月ならお前が選んでって言いそうな気がする。

面倒臭いわけじゃなくて、結婚式は女性にとって一生に一度の晴れ舞台。

全部佳奈恵さんのやりたい事、好きなようにさせてあげたいって、優しい皐月なら思うはずだから。


それに、私だったら好きな人のタキシードは私が選びたいもん……

皐月ならチャコールグレーが似合うと思う。


世界で一番かっこいい花婿。


その隣りに、私は………いない。



「嫌だ……皐月のタキシードを選ぶのも、隣りにドレスを着て並ぶのも、バージンロードを歩くのも私がいい」



一年5ヶ月も会ってないのに、皐月のこと鮮明に思い出せる。


皐月の笑った顔も拗ねた顔も照れた顔も。

匂いや温もり、抱き締める腕の強さ。


全部全部、私の中に染み付いてる。



「好きだよ…大好きだよ……」



ずっと変わらなかった。

皐月に対するこの気持ちは、忘れていくどころか強くなるばっかだった。