運命は残酷だ。

やっと幸せになれると思ったのに……



やっぱり、最後は私から何もかも奪っていくーーー。








『皐月が行きたいなら、何処にでもついて行くよ』



この言葉は嘘じゃなかった。

だけど、皐月は私の心を見抜いていた。



『……ハハ、冗談だよ。何本気で答えてんだ』

『だって本心だから』

『馬鹿。あいつらと約束したんだろ?ここで待ってるって』



確かに約束した。
だけど、皐月が本当に本気で何処か遠い所に行きたいなら、私も……って思ったのも本当。



皐月はその後風呂に入るなり、その話は疎かここまで泥酔するほど飲んだ理由すらも一切話してはくれなかった。