落ちてきた天使

恥ずかしさで半べそをかきながら、中垣さんをちらっと見る。


案の上、中垣さんは私の視線に気付くなり、ニヤリと笑った。



「こんな町中で人目を忘れてニヤけちゃう辺り、彩ちゃんって皐月のことかなり好きなんだね」



THE END.
穴があったら入りたい……


もう最悪だ。
なんで人目を忘れちゃったりしたのよ、私!


運が悪いことに、皐月の友達に見られちゃうし。



「あの…皐月には言わないで下さい……」



せめて皐月には知られたくない!
実は妄想癖のイタイ奴だった、なんて……



「え〜、どうしよっかな」

「お願いしますっ!」



拳をギュッと握り眉間に力を入れながら懇願するも、中垣さんはほくそ笑んだまま。


中垣さんは皐月の親友と言ってもいい。
面白いネタを目の前にして本人に言わないわけがない。


やっぱり駄目か……
穴に入る準備でもした方が良さそうだな……


とほほと半ば諦めて拳を緩めると、「わかった」と思い掛けない言葉が聞こえた。


「へ?」と素っ頓狂な声が思わず出る。


まさか言わないでくれるなんて思ってなかったから意外で、半開きの口が塞がらない。