落ちてきた天使

浴衣着たいかも。
カランコロンって下駄を鳴らしながら、皐月と手を繋いで歩きたい。


それから一緒にヨーヨーとか金魚すくいとか射的して、綿あめ食べて。


穴場で二人っきりで打ち上がった花火を静かに見るの。



「二人で見る花火は綺麗だろうな」



始めから最後まで、手はもちろん繋いだままで。


皐月の肩に頭を預けちゃったりなんかして……



それで花火が終わったらーーー。



「行くに決まってんじゃん」



ーーーえ……?



私が妄想の世界に旅立っていると、耳元で聞き覚えのある声が聞こえて一瞬で我に返った。



「な、中垣さん……‼︎」



どうしてここに⁈
というか、いつから見てたの⁈



「驚いた顔も可愛いね」

「か、からかわないで下さい!」

「ごめんごめん」



ハハッと笑いながら謝る中垣さんに、どんどん恥ずかしさで顔が熱くなっていくのがわかる。


私、今絶対変な顔してた。
皐月と花火大会に行った時のこと想像しながら、絶対鼻の下伸ばしてニヤけてたに違いない。



「どうしてここにいるんですか?」

「ああ、明日の分の買い出し」

「いつから見てました……?」

「皐月と花火見たいな、辺りから?」



ガンッと、後頭部に衝撃が走った。


だって、それって……
最初から恥ずかしい独り言も聞かれてニヤけ顔も見られてたってことでしょ?