「お兄ちゃん! 朝ご飯できてるよー! 早く起きてねぇー」




 部屋の外に立っているアミの声が聞こえる。俺は目を開け、大あくびをする。




「もうお兄ちゃんってば! 起きてんの?」




 俺はため息をつく。「もう起きてるから……ちょっと歯を磨いてからすぐに降りていくよ」




「もう遅刻とか心配なんだから! じゃ下で待ってるからね」




 下に戻っていくのが聞こえる。俺はベッドから起き上がり、体を伸ばしてみた。少し痛い……やっぱり最近は全然運動していない。




 時計を見てみた。7時25分。




 今日だった……学校の入学式。




 ため息をつく。外を見てみた……晴れ。




 いろいろ準備して、俺は下に降りていった。




 すでに食卓についているアミは、眉をひそめてくる。「遅いよ、お兄ちゃん……もう7時40分じゃん! 学校8時に始まるよ?」




 あくびをし、俺は座ってにっこり笑った。「大丈夫だって……アルンダ軍学校ってそんな遠くないと思うけど」




「また夜更かしとかしてたんでしょ!」アミはため息をつく。「お母ちゃんお父ちゃん毎回いないからっていつまでも寝坊しちゃだめじゃん! 夜更かしなんか体に悪いし、お兄ちゃんもう18歳だよ」




「まぁ、そう言われてもなぁ」俺はスプーンを使って味噌汁を飲む。「なんか、最近ぼーっとすることが多くなっちゃったみたいで……まぁ二度と目を覚ましたくもないってたまに思うこともあるかも……」




言うと、妹は俺を変な目で見つめる。「何それ? お兄ちゃん変すぎ……道理であんま友達いないわけ!」




「ちょっとそこまでは……まぁさすがに変なこと言っちゃったよな、俺……おっと、もうこんな時間か!」パンを速く食べてしまった。




アミは味噌汁を飲んでしまい、立ち上がる。「まっ、高校生のあたしなら友達に会わなきゃいけないしねー」とひとりよがりな態度で言う。「とにかく遅刻はしないで!」




「はいはい、俺もそろそろだから」




「あ、あと夕飯のこと気にしないで、あたし帰ってから作っとくから」アミはリュックサックを取って玄関に向かう。「じゃ、いってきます!」




「うん、いってらっしゃい」