笑う門には福来たる!!











「夜分すみません」

「誠…十郎?」

「お菊と呼ばれています
あの……ご心配お掛けしてすみません」

「何、他人行儀な挨拶してんの?
さっ!中に入って!!
あなた~あなた!!早く!!」

「誠十郎か?無事だったのか?
良かった!!」


ガバッ

初めて父に抱きしめられた気分だった


「すみません」


「もういい、無事ならいいんだ
お前の母が、お前のおしめも湯入りも
私にさせなかった
不思議だったが、疑いもしなかった
コイツは、後妻に入ってすぐ
誠十郎が女子ではないかと言ったときも
気づいてやれなかった
私がお前の親なのに…すまなかった」

「父上は、俺が可愛くなかったから
世話をしなかったのだと……」

「ばかな!!そんなはずなかろう!!」

「藤十郎のおしめも、湯もしてたから
女だって知らないのは、父上に嫌われているとばかり……」

「馬鹿ね……そんな事を思っていたの?
あなたも親になったのだから
わかるでしょう?」


「うん」


「帰っていらっしゃい」

「そうだ!帰ってこい!
世間が騒いでも、一時のこと
すぐに収まる」

「あの…女子としては、帰れません
女子として生きることをお許し頂けるなら
それだけで、幸せです」

「また、変な意思張るなよ?
後悔するぞ?」

「娘を抱いて貰っていいですか?
〝誠(マコト)〟といいます」

「それは、たくましい名をつけたな」

嬉しそうに孫を抱く父を見て

誠十郎が涙を流した


「永くないそうです」


全員が固まる


「そんなに小さいのに……
生まれて少しなのに……
今、お医者様の家にお世話になってて
治療もありますから、ここには帰れません
いつどうなるか、わかりませんから」

「嘘だろ」


「ごめんなさい……
丈夫に生んであげられなくて……」


「誠十郎!!」


土方が誠十郎を抱きしめる

誠十郎の背中を沖田が撫でる

「誠十郎のせいじゃないよ
大丈夫!この子は、土方さんの子だから
しぶといよ!!
労咳治した人の子だよ!?」

「うん、そうだよね」


気づけば全員が涙を流していた



「そろそろ帰ります」

「会いに行く」

「おやすみなさい」