しかし、翌日


誠十郎は、いなくなっていた

〝お世話になりました〟

という文を女将宛に残し、いつの間にか

置屋を抜けていた

心当たりも、馬で市中を探しても

見つけられなかった




「そんな!?僕にも教えて欲しかったです
土方さん、誠十郎を一人にするなんて
僕、やっと元気になったから、誠十郎と団子でも食べに行こうと、張り切ってたんですよ?はぁ~誠十郎どこに行ったんでしょうねぇ」


池田屋以来、熱で寝込んでいた沖田が

回復した頃



探す宛さえなくなった



辛い気持ちを隠すように


仕事に打ち込んだ



「土方さん…また怖い顔に戻ったな…」

「誠十郎がいなくなってからだな」


あまりの仕事ぶりに、原田や永倉が

息抜きを誘っても

酒も飲めない土方は、断るばかりだった