笑う門には福来たる!!

土方にしがみつく、その手首に捕まれた痣がくっきり

土方が唇を噛み締め


「女だって、言っとけよ…」


涙と震えがおさまり

少し冷静になった頃

右頬に土方、左頬に沖田が

ちゅっ


「よし!これで元通りだ!!」

「うん!!もう、大丈夫!!」

「もう!またぁ!!なんなん?/////」

「これは、土方さんのお姉さんが教えてくれた、素晴らしい治療法です!!」

「姉貴が、昔からよくしてきて
不思議と風邪も怪我もすぐ治る
労咳も治ったんだ!」


真剣に二人が言うので、へぇ~と言うしかなかった





それから、何も訊いてこない二人に

自分から話を始めた



「七年前…産みの母が、亡くなる直前
自分が女だって知らされた
体つきの事とか、悩んでいて
女だって知らされたとき、恐れていた事が
現実になって
父上に、何て言われるか
廻りに、何て言われるか
店の評判とか、考えてたら怖くて…
自分が女だって、誰にも言えなくて…
初潮が始まった日から、笑えなくなった
どうしていいか、わからなくて
お師匠さんが、あっ舞踊の
ここを紹介してくれたんだ
お願いします… 女だってこと、誰にも言わないで下さい!」

深々と頭を床につけた



その頭を上げさせ


「言わねぇよ!だけど、お前が気にしてるほど、親父さんたち何も思わねぇぞ?
そりゃ、驚くだろうけど
血の繋がった親子なんだし、母親が
跡取りを産むという重圧に負けたことが
事の発端で、お前は悪くねぇ」

「そうですよ!!堂々と女として、生きたらいいじゃないですか!?」

「…ムリ」


小さな声でそう言い、鼻に手をやると

血がつく


「その鼻血…不安な時に出るんだろ?」



沖田が手拭いで鼻を押さえる


コクリ


君菊が頷く


「山崎に看てもらえ」

「ヤダ!!」


そうだった、医者嫌いだったと

土方が自分のおでこを叩く


「すぐおさまるから…」


そう言い、そのまま沖田に凭れたまま

意識を失う



「え?君菊?え?土方さん!!どうしょ」

「疲れて眠ったんだろ?」


それからしばらく鼻血が止まらず

起きる気配もなく


間者の粛清が終わったと


報告に来た斎藤は、顔が見えないように

沖田に抱き抱えられている

女に首を捻りながら、先に屯所に戻った


君菊が目覚めるまで、沖田が抱き抱えたままだった