笑う門には福来たる!!

翌日、土方と沖田が中垣呉服を訪ねた時には、すでに誠十郎は出かけた後だった


「行くか」

「はい」


迷うこともなく、君菊へ会いに行く


二人は、いつも裏道を通る


「新選組の情報をよこせ!」

そんな声に、二人が身を潜め、チラリと
裏口を見る


長身の男が、君菊に詰め寄る

「お客はんに新選組の方がおるんは、おるけど?
うち、何もしらへん
だいたい、うちは世の中をしりまへんし
知ったところで、他所さんにペラペラ喋っては、太夫の品位に欠けます
そちらさんのことかて、新選組に話さしまへんえ」

凜とした話しぶりに、男が笑う


「毎日、新選組の土方と沖田が通っていると聞いた
お前、情報提供しているんじゃねぇか?」


「まさか?毎日、会いに来てくれはるんは、うちを心配してくれてや」


「お前、土方の女なんだな?」


「……せやったら!なんやの?」


君菊が、挑発するような目で、男を見る


「お斬りになります?」


君菊がそう言ったすぐに、男が君菊の手を強引に抑え込み、唇を奪う

「君菊を離して貰おうか」


土方の声に男が唇を放す


「土方 歳三、沖田 総司…」


ニヤリと二人に笑って見せてから、再び

君菊に口づけをした


沖田が抜刀し、男に切っ先を向ける

「やめてくれる?
君菊を汚されたくないんだけど?」


男は、唇を放すとボソッと君菊に何か言う


バシーーン


君菊が男を引っぱたく


「はっはっはっ 気の強い女だ
それに…… 体術も少々出来る、か
面白い、気に入ったよ!君菊
また、会おう」


「ご遠慮します
うち、体を売る気はありまへんえ」


男が沖田に詰めよられ、君菊から離れる

土方が君菊を奪い返し、懐におさめる


「俺の女だ!
二度と触んじゃねぇ!!」



男に向かって、宣戦布告した


この状況を楽しむように、にこにこして


「君菊、新選組の情報はいらない
お前が気に入った!
君菊を落としにくるよ!」


沖田の刀をかわして!ひらりと逃げて行った


「遅い!!」


土方の腕の中で、怒る


「コソッと見てないで、早く出て来てよ!
馬鹿!!」


様子を伺っていたことに、気づかれていた為、ばつの悪い二人が素直に謝る


「ごめん…」

「すまねぇ…」


「助けてくれるって、信じてたけど…」


すねながらも、そんな事を言う

君菊が可愛くて、土方がぎゅっと抱きしめる

「口づけとか、されてんじゃねぇ馬鹿」


「そうだよ!!口づけとか駄目だよ!!」


グイッと土方から、沖田が君菊を引き離し

君菊の左頬に沖田、土方が右頬に


ちゅっ



「これで、元通りだな!!」

「はい!!」



「/////……何してんだよ!!」



「元に戻したんだよ!?」

「ああ」


真っ赤になって、照れまくる君菊に

二人は、何も気にせずそう言った


「なんなの、二人して…」


「あいつに何言われたの?」

「土方やめて、俺の女になれって」

「すまねぇな… 巻き込んだな…」

「挑発したのは、こっちだから…」

「まぁ、君菊が無事でよかったね!!」


沖田がその場をまとめたのだった