芹沢が事件を起こした
生糸問屋大和屋の土蔵へ大砲を放ったのだ
夜の静かな町に響いた音
大勢の人が集まった
誠十郎も音で大和屋に来た
浅葱色の羽織を見つけ、近くに行く
「土方さん、もしかして…芹沢さん?」
「誠十郎、そのもしかしてだ」
「俺のせいだ……」
「だから!!なんでそうなるんだ!!」
「大和屋が天誅組に献金しているって
芹沢さんに教えたんだ……」
「そういう事なら、他に方法があるだろ
芹沢さんは、派手なことをしすぎなんだ
誠十郎は、役に立ちたかっただけだろ」
「こんなことになるなんて……」
翌日
誠十郎が屯所に金を持って来た
「江戸に行こうと思ってためた金です
大和屋さんの為でも、浪士組の為でも
何に使って貰っても構いません」
「こんな大金どうしたんだい?」
近藤が目を丸くするほどの大金だった
「ほら、俺、太夫なんで」
そう聞くと、近藤が頷く
「しかし、いいのかい?」
山南が、心配そうに聞く
「使う当ても無くなりましたし
また、貯めればいいし
俺は、欲しい物もないから」
「家の為につかやぁいいだろう」
相変わらずの諦めた物言いに
土方が噛みつく
「働いていることは知られたくないので
じゃあ、よろしくお願いします」
それから
〝しばらく帰りません〟
という書き置きを残し
誠十郎が中垣呉服を出たのだった
生糸問屋大和屋の土蔵へ大砲を放ったのだ
夜の静かな町に響いた音
大勢の人が集まった
誠十郎も音で大和屋に来た
浅葱色の羽織を見つけ、近くに行く
「土方さん、もしかして…芹沢さん?」
「誠十郎、そのもしかしてだ」
「俺のせいだ……」
「だから!!なんでそうなるんだ!!」
「大和屋が天誅組に献金しているって
芹沢さんに教えたんだ……」
「そういう事なら、他に方法があるだろ
芹沢さんは、派手なことをしすぎなんだ
誠十郎は、役に立ちたかっただけだろ」
「こんなことになるなんて……」
翌日
誠十郎が屯所に金を持って来た
「江戸に行こうと思ってためた金です
大和屋さんの為でも、浪士組の為でも
何に使って貰っても構いません」
「こんな大金どうしたんだい?」
近藤が目を丸くするほどの大金だった
「ほら、俺、太夫なんで」
そう聞くと、近藤が頷く
「しかし、いいのかい?」
山南が、心配そうに聞く
「使う当ても無くなりましたし
また、貯めればいいし
俺は、欲しい物もないから」
「家の為につかやぁいいだろう」
相変わらずの諦めた物言いに
土方が噛みつく
「働いていることは知られたくないので
じゃあ、よろしくお願いします」
それから
〝しばらく帰りません〟
という書き置きを残し
誠十郎が中垣呉服を出たのだった


