「原田さん、コレ」

「すげぇ!!お前、何でも作れるんだな!
お代は?」

「いりません、勝手に作ったし
原田さん、迷ってるって言ってたから
後悔して欲しくないんです
せっかく両想いなんですから!!
幸せになって欲しいです!!」

「ありがとうよ!!
そうだな… 
あんな良い子、捨てらんねぇ!!
俺、行ってくる!!誠十郎!!
礼は、必ずするからな!!」



誠十郎が原田の為に作ったのは

簪と櫛

可愛らしい巾着袋付き



「どういうこと?」

「原田さん、結婚したい人がいるんですよ
だけど、結婚してから仕事とか心配で
踏み切れなかったようで…
後悔して欲しくないから…」


まるで… お澄のことで自分を責める言い方だった


「誠十郎は、後悔してるんだ…」

「してませんよ?お澄のことは、すごく
可哀想なことしました
5年も待たせたんですから
お澄は病になる前も、病になってからも、大事にされていたようで
幸せだったのだと思ってます
実は、旦那を殴ってやろうと思って
葬儀に参加したんですが…
すごく良い人で… 困りましたよ」

「ふふふっ 誠十郎は、優しいね!
お澄さんが、5年待てた理由が僕には
わかるよ!!
誠十郎は、また笑える!!
お澄さんも確信していたんですよ!!」

「総司って、煽て上手だな」

「思ったことを言ったまでですよ!」

「ふぅ~ん」

「信じてないの???」

「信じてますよ!浪士組の皆、信じてます」

「そう?なら、良かった!!
僕も誠十郎を信じてます!!」



落ち込んで、塞ぎ込んでいると思っていたが、しっかりと前向きな誠十郎に

沖田は、心からホッとしてニコリと笑った



「総司の笑った顔見ると、心が軽くなるな!!いつも笑ってて!!」



嬉しいことを言われ、また笑った