誠十郎が「俺、こっちだから」と帰って行った後

「土方、沖田
何も聞かないでやってくれ
大事なのは、これからどう生きるか
誠十郎が一歩を踏み出す為に、過去より
今、そして先に進む手助けをしてやれ」

「「はい」」

「儂は、泣かせてやろう!!
お前達は、笑わせてやれ!!」



「絶対!!笑わせてみせます!!」



「はっはっはっ 頼もしいな?沖田!!」

「意気込みだけは、人一倍だもんな?」

「僕は、誠十郎さんが好きですし
着物の恩がありますし
友達になりたいですから!!」

「総司も変わったなぁ~?
あんなに人嫌いで
めそめそしてたのによぉ?」

「変われるんですよ!!
誠十郎さんの笑顔が早くみたいなぁ!!」



「土方、沖田、お前達でよかった」

「え?」

「いや、この国の人々を守る
その為には、まず身近な人を笑顔にする
これが、儂らの一歩だと思ってな!?」

「そうですね!僕の一歩です!!」

「お前だけかよ!!俺も!!」

「大人げないですね?」

「うるせぇ!!」













数日後


町にて

「よう!買い物か?」

「あ
土方さんに沖田さん
こんにちは、客が来るので甘味を頼まれて」

「わぁ!!僕達もなんですよ!!
一緒に行きましょう!!」

「この先にある店がおいしいんですよ
それより… その羽織、目立ちますね…」

「だろ?見回りの帰りなんだ」

「おい!!お前ら!誠十郎から離れろ!」


3人の男達が突然現れ、土方と沖田に
言い放った


「え?なに?」


誠十郎は、考えた


「壬生狼め!!誠十郎!!
今、助けてやるからな!!」


そして、答えを見つけた


「ちょっと待て!誤解だ
確かに壬生浪士組の方達だけど
俺の友達なんだ」


「え…」
「いや、てっきり…」
「あ…「「すみません」」」


「こっちも誠十郎の友達か?」


土方が問う


「あ…うん…」


「誠十郎!!俺達、ずっと悩んでたんだけど…どうしてもわからないんだ
俺達、お前になにしたのかなって…」


誠十郎が驚いた


「いや何も悪くないよ
俺が、勝手に避けたんだ
そんな、嫌な想いさせてるなんて
考えもしなくて、ごめん…」

「誠十郎… お前が笑わなくなったのも
俺達が何かしたかなって…」

「いや!!全然!!ごめん…本当ごめん」

「よかった…もう、話もしてくれないかと…」

「うん…俺も、悲しかった」

「誠十郎!!もう一度、友達になろ!?」


「あの… 俺…
人といるの苦手になってさ…
今も、まだ笑えない…
不快な想いさせると想うし、その…」


「グダグダ言ってねぇで、はい!
で、いいんだよ!」



バシン

「いでぇ」

土方に背中を叩かれる

「いいのかな…」

「誠十郎!!いいに決まってんだろ!!」


6人で賑やかに買い物を済ませた


誠十郎は、笑わなかったが


後日

八木から聞いた


「誠十郎君、江戸に行く予定だったらしいんだけど
もう少し、京にいたいって
両親に頼んだらしいよ」


誠十郎も一歩を踏み出したのだと
土方と沖田は、喜んだ