こっちが必死に走ってるっていうのに



無常にも電車の扉は閉まって、、、




間一髪のところで




足が閉まるドアを邪魔して




扉は開いた。




その足を挟んでいたのは





私と同じ高校の制服を着た男の子。




爽やかな笑顔で


「きみ、乗るんでしょ?はやく!」



そう言って私の手を引っ張って電車に乗せてくれた。




私はもうその男の子に釘付けになっていて。




高身長に短髪で爽やかな雰囲気



目はスッとしていて



鼻も高い。




いかにもスポーツ選手って感じのその人は




まだ爽やかな笑顔で私の手を掴んでいた。





「あ、あのぅ、、、手、、、。」





私がそう声をかけたら



慌てて手を離してくれたけど




優しい笑顔のまま




「俺、清水蒼っていうだけど


きみ、1年生?」




「あ、はい。今日入学式で、、、。」




「あー、俺もなんだよね~!



でもさ結構ギリギリだよね(笑)」




いやいや、笑ってる場合じゃないですって!




脳天気な彼、清水蒼くんとの出会いは入学式の日の電車の中でした。