蒼side
俺は中学になってもバスケばかりしていた。
おれは
世渡り上手でいるために
楽しくもないのに
ニコニコ笑っていられる能力を身につけた。
そのせいで
すぐに女からキャーキャー言われるようになった。
近寄ってくる女は多く
ちょっと優しくしただけで
俺に夢中になっていく女達に
おれは全く興味がなかった。
バスケの強い中学だった俺は
最後の大会で
全国大会の切符をつかんだ。
開会式の時
隣の県の女子代表が俺らの列の隣に並んでいた。
その中にみおがいた。
俺はそれを知った時
めちゃめちゃうれしかった。
でも、みおは俺に全く気づかない。
それもそうか、
だって俺の記憶だけなくなったんだもんな。
開会式も終わり
チームのもとに集まろうとしてると
みおが
俺の目の前で転びそうになった。
靴紐を踏んだようだ。
俺はそれをすかさず受け止めて
立たせた。
「あ、ありがとう」
そういったみおのかおは
もう何年もあってなかったのに
あの頃と変わらない
無邪気な笑顔で
おれをいつまでもキュンとさせる。
おれはもう
みおにしか心動かされないようになってしまった。
だから
俺は高校ではみおと同じところに行って
バスケするって決めたんだ。
