な み だ





べチャッ。




掃除中の教室になかなか耳にしない音が響いた。




私は恐る恐る上を見上げる。うん、えーと、うん。信じられないけど、隣でわなわな震えてる金田くんが私の頭に雑巾を落としたらしい。




しかも床を拭いたやつだな。私は濁った水が滴る顔をにっこりと笑顔に変えて金田くんを見上げた。




金田くんはまだ震えながら、まるで世界の終わりを迎えたような顔で私と目を合わせた。





「な、なんでもするから許してくれないかな…わざとじゃないんだよ……」