キーンコーンカーンコーン

「唯、さやかゴメン!!」

チャイムが鳴るなり、いきなり凛乃が謝ってきた。

「ん?どうした?」

「実は、、、」

照れながら、チラッと後ろを向いた。

そこに立っていたのは、同じクラスで凛乃と同じ部活に所属している山崎涼(やまざきりょう)君だった。

「あ~あそう言う事ね!大丈夫だよ」

「ありがとう~」

そう言って凛乃は、山崎君のもとへ走っていった。

多分、山崎君と凛乃は付き合っているのだろう。

凛乃の見送ると、さやかと二人でお弁当を食べた。

さやかと二人っきりって言うのはめずらしくて、とても新鮮な感じがした。

「富田ー!ちょっといいかー?」

「あ、はい!唯ちょっと行ってくるね」

「うん」

さやかは、担任の先生に呼ばれて行ってしまった。

先生め!!!少し憎い、なんて思った。

でも、それ以上に賑やかな声であふれかえっている教室は、とても居心地が悪かった。

静かに教室を出た。教室を出たのはいいけど、行く場所がない。

何も考えずにただただ歩いた。すると、屋上の扉の前まで来ていた。

そう言えば、屋上に行ったことなんて一回もないな。行ってみたい。

そんな好奇心で扉を開けた。