「亜好歌先輩…?」
よく顔を見てみると、先輩は頬を涙で濡らしていた。
「私、さ…昔から人付き合いが苦手でさ。いっつもあの2人に助けて貰ってたの。それに、前のこともあるから…
新くんの言葉は嬉しいよ。だけどね…
私…人を好きになるのが怖い…好きになっても、飽きたら捨てられるんだ…そんなことが何度もあったから…だから…」
「僕はそんなことしないです!」
大股で亜好歌先輩に近づく。
立ち上がった先輩の手を強く握りしめて、そのまま抱きしめる。
「あ、新くん…」
「僕、亜好歌先輩が本当に好きなんですよ。先輩の全てを知りたいと思うし、飽きたりなんかしない、捨てたりもしないです…だから、そんなこと言わないでください…」
「でも…新くんには、私じゃなくても、いい人がきっといるよ。出会っていないだけで…私のはきっと勘違い…」
「…勘違いなんかで女子に告白するほど、俺は軽い男じゃないです。
亜好歌先輩だから抱きしめたいと思うし、好きになった。だから…」
先輩の肩を掴むと、そのまま先輩と向き合った。
「もう1度言います。俺は、亜好歌先輩が好きです。俺の…彼女になってくれませんか?」
亜好歌先輩がこの時何を思ったのかは分からない。
「……新くん…ありがとう…こんな私を、好きでいてくれて…こちらこそよろしくお願いします。」
「え…やった…やったぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「きゃっ!」
嬉しさのあまり、亜好歌先輩を力強く抱きしめる。
驚いた亜好歌先輩も、微笑みながら抱きしめ返してくれた。
騒ぎを聞きつけた好歌依先輩やレノ先輩も部屋に入ってきた。
付き合えると伝えると、朝までみんなで騒いでいた。
僕たちはこの日、恋人になった。

