好歌依side



「はぁ…」

その後に続くはずだった退屈だなぁ。という一言を飲み込む。


今は10分休みの時間で、クラスが違うあの2人とはなかなか会えないのだ。

クラスにいるのも億劫になるだけで。
ため息が止まらなくなる。


「好歌依〜!」

教室に響く聞き覚えがありすぎる声。
そう、私の相方(笑)の亜好歌である。


「亜好歌?どしたん?」

「ん〜、理由はないけど暇だからかな!」

「なんやねんそれ笑」


亜好歌のマイペースには散々悩まされているが、こういうときばかりはありがたいものだと思う。


「亜好歌、好歌依!」


呼ばれた方向に2人して振り向くと、そこにはもう1人の仲間であるレノが立っていた。

『レノ!』

「ちょうど良かった、2人に話があってだな。

今日、顧問が急に出張が入って部活ができないんだよ。」

「えー」

「こら亜好歌」

少しだけ頬を膨らませる亜好歌に軽いデコピンをする。

痛い。という声が聞こえたが、この際無視しとく。

「そこでだ。最近この学校の近くに30分500円でケーキが食べ放題っていう店が新しく出来たんだ。

行ってみないか?」

「行く」

「即答やな⁉︎」

今まで痛さに顔を歪めていたのに、今ではこれ以上ないくらいに目が輝いてる。

「それじゃ、決まりだな。放課後に校門集合だ。」


『はーい』