「へぇ~…そういえば…。母と父から聞きました。咲楽さんはあの理蘭学園の首席だと…。すごいですね。」
「えっ…!?いやいや…そんな大したことじゃないです…。」
「僕も明日から理蘭学園に通わせていただくんです。」
「優一さんも?」
「はい。許婚同士同じ学園のほうが仲が縮まるでしょう?」
「え…あ、はい…。」
(なんかこの人…関わりずらいな…でもいい人そう…)
「名倉家って…和菓子で有名ですよね。」
「ご存じだったんですか?恐縮です。」
「私和菓子好きなんです。」
「咲楽さんは洋菓子のほうがお好きだと思っていました。」
「それ、よく言われるんです。でも私和菓子が好きなんですよ?」
だんだん打ち解けていき、すっかり二人は二人の世界へと入っていった。


