お父さんが言った通り、翌日の夜には私の前に見知らぬ男性が座っていた。
「咲楽、この方があなたのお見合い相手よ。」
お母さんが私に言った。
「は、初めまして。蓮王寺 咲楽と申します。」
「初めまして。名倉 優一です。」
名倉 優一(なくら ゆういち)と名乗った男性はきらきらの笑顔で笑った。
「お会いできてうれしいです。咲楽さん。」
「わ、私もっ……です。」
「ご趣味はなんですか?」
淡々と質問をされる咲楽は慌てていた。
「あっえっと読書…です。」
「読書ですか…ちなみにどのような本をお読みになられるのですか?」
「えっと…基本的には古典が好きですね。枕草子とか…古いものです。」


