「雅のことしばらく見といてくれるかな?」


雅(みやび)とは私の弟であり、次期当主。


今はまだ3歳だけど、きっと私よりも頭がよく、人に好かれる子になる。


「なんで?そのくらいお手伝いさんにしてもらえばいいでしょ。私次のテストあるから。」


決してお母さんを嫌いってわけじゃない。


だけど…どうしてか好きにはなれない。


「…咲楽…。」


〝バタンッ〝


(雅、雅って…私はお手伝いさんじゃないっ!!)


咲楽は枕を抱きしめ顔を埋めた。