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「椿…。」
車の中でいつもは京雅のそばにいる椿に話しかける。
今日は私の担当らしい…。
「なんですか?」
「私、勘違いしてたみたい。」
「クラスのみんなは私が蓮王寺家の人間だから優しくしているだけだけど、家族はそうじゃないもんね。疑ってしまって悪かったよね…。」
「お嬢様がそう思っていらっしゃるのならば悪いんでしょう。クラスのみなさんは置いておいて京雅様や真琴様をお疑いになられるのはいけないことです。」
椿は真剣に言った。
「ご両親に対しての反抗も子供の仕事ですが、感謝の気持ちを忘れてはいけないです。」
「そうだよね。」
椿の言っていることはもっともだった。
「それから…。」
「何?」
「そろそろ口調をお直しした方が…。」
学校が近づいていた。


