「咲楽。」
隣で瑠耶さんがつぶやいた。
「お前、本当に俺で良いの?」
「何言ってるんですかー、散々私に付きまとって挙句の果てには俺の女にしてやるって超上から目線で言ってたくせに。」
「いや、そうなんだけどよ…お前みたいな名家が俺なんかと…その…」
「私のお母さん、養子なんですよ。」
「…え…?」
「早くに両親がなくなって知り合いのおばさんのところに引き取られたらしいんですけど、そのひとがひどい人だったみたいで…。住んでた家が火事になっておじさん、今の理事長の養子になったそうです。だから、別にいいじゃないですか。」
「もう階級なんて必要じゃないでしょ?」
「咲楽…。」
「私は瑠耶さんだから、瑠耶さんだったからキスも…告白もう、嬉しかったんですから…///」
「…そうだな。」
