偽りの彼ら



「友達に頼まれたことも、NOって言えなくて引きつった顔しながら、やってたのも知ってる。
でも受け入れたことは、絶対投げ出さずやってんのも」


あたしは驚いた表情でコウを見上げた。


ジンと胸が温かくなった。
そんな風に見ててくれた人がいたんだ。


「でも、おまえ、嫌なときはちゃんと嫌って言うべき。おまえがいつもやらないといけない必要なんてねーんだから」


そう言ってコウはあたしを撫でた。


「俺のことも少しは頼れ、な?」