「ぅぅ、、、」
薄目で時計を見ようとするともう8時をまわっていた。
とっさに起き上がる。こういうときに体はすぐ反応するものである。支度を終えて階段をかけ降りてリビングへ行くともう8時だというのに静まりかえっている。
いつものことだ
そう思って適当に冷凍食品を温めようとすると早くも8時15分を回っている。
「チンしてる時間ないよぉ、、、」
仕方ないのでまだ凍りかけた肉まんを口にくわえて玄関へ向かう。
(遅刻したら今月で3回目だ、、、)
ようやく駅につき電車に飛び乗り、乗り換えをし、全てを高速でこなしていると何とかギリギリ間に合いそうだ、と愛実は思いはじめると、ポケットに入っているいちごキャラメルを口に入れる、、、その時だった。
ドンッ!!!
「きゃあ!」
「痛ってぇ」
見るからにヤンキーらしき男がそこにいた。しかも夢蘭高校の制服だった。
「ごっごめんなさい!」
ヤバイと思いながらも愛実は遅刻という言葉が頭をよぎり立ち去ろうとした。
「おい」
ビクンと体が反応する。
「なんかついたんだけど」
振り返ると確かにブレザーの右胸にさっき食べようとしたいちごキャラメルがべったりくっついている。
慌ててティッシュティッシュとスクバから探したがよりによってなかった。
(ツイてない、、、どしよ、殴られるかも)
よく見ると校章のバッチは黄色である。愛実たち1年は赤学年だか、黄色ということは黄学年の2年である。
(ヤバイ先輩じゃん!確か2年ってヤンキー多いんだよなぁ、、、このままじゃ目つけられるどころかボッコボコにされる!)