家までの帰り道、
家に帰ってからも
寝るまでずっと
美奈とは
一言も話さなかった。


いつの間にか
俺たちは
寝てしまっていた。

隣では
美奈がまだ寝ている。

俺にとって今日は
久しぶりの
1日中休みの日。

休みと言っても
特にする事もなかった。
「おはよう」

美奈が小さな声で
言った。

「美奈...あの写真の人に会わせてやるよ」
「えっ...」

俺は美奈の
腕を掴み
家を出た。

俺の頭の中のなにかが
プツンと切れたんだ。


「ちょっと、急にどうして??どこいくの!?」
「会いたいんだろ!?お前はついて来ればいいんだよ!!」
「待って!待っててば!!腕痛いよ!」
「うるせーよ!!」

汽車にのり
着いたのは
お墓だった。

「ほら、その写真に写ってんのは10年前死んだ俺の父さんだよ!!」
「...。」
「昨日の人は俺の客。俺、今働いてんの!ホストって訳じゃねぇけど、女と寝て金貰って、自分の体売ってるようなもん。」
「...。」
「なんとか言えよ!!」

なんでだよ。
言いたくない事まで
言ってしまう。

でも、いいんだ。
もう美奈とは
離れよう。


すると
美奈が泣きそうに
なりながら
口を開いた。