「ゲホッゲホッ…おぇえ…」
「洸、がんばってっ!!!」
あれから抗がん剤が再び始まった。
ここからが本当の戦いなのかもしれない。
私は苦しがってる洸の背中をさすることしか出来ない。
ムカつく…
何もできない自分に腹がたつ。
「し、のっ…手、血でるぞ…」
……え…
洸に言われて自分の手を見てみると知らないうちに強く握りしめていたのか、爪が肉に食い込んで血が出そうだった。
……洸……
苦しいはずなのに、私の心配なんかして…。
だめだ!
パンっと頬を強くたたく。
弱気になるな、私!
一緒に戦うんだからっ…!!